東日本大震災から15年インクルーシブ防災とペット同伴避難の作法
- サポート協会 ペット防災
- 20 時間前
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インクルーシブ防災と避難所の作法
──日本人の“思いやり文化”を未来の防災へ**
東日本大震災からまもなく15年。
この節目に、私たちは「防災とは誰のためのものか」を改めて考える必要がある。
高齢者、障がいのある人、外国人、子ども、そしてペットと暮らす人。
災害時に弱い立場になりやすい人々を包み込む インクルーシブ防災 の考え方は、
これからの日本に欠かせない視点だ。
しかし現実を見ると、防災啓発はまだまだ進んでいない。
避難所の混乱、情報不足、準備不足、そして「自分は大丈夫」という油断。
どれも震災から15年経っても繰り返されている課題である。
だからこそ今、私たちには 新しいアプローチ が必要だ。
その鍵となるのが、
「防災=作法」という考え方 である。
■ 防災は“知識”ではなく“作法”へ
これまでの防災は、
・備蓄をしましょう
・家具を固定しましょう
・避難経路を確認しましょう
といった「知識の伝達」が中心だった。
しかし、知識だけでは人は動かない。
頭では分かっていても、行動に移せない。
だから防災啓発は伸び悩んでいる。
そこで必要なのが、「作法として身につける防災」 という視点だ。
作法とは、
・相手を思いやる心
・場を整える行動
・自分の振る舞いを律する姿勢
のことである。
日本人は昔から、
列に静かに並ぶ
靴を揃える
相手に迷惑をかけないようにする
という文化を大切にしてきた。
この“日本人らしい作法”こそ、
防災に最も必要な力なのだ。
■ 同伴避難は「作法」がすべてを決める
環境省はまもなく新しい指針を出し、
同行避難や飼育スペースの確保をより強く推奨する方向に進んでいる。
しかし、制度が整っても避難所がうまく回るとは限らない。
避難所で本当に重要なのは、飼い主の作法 である。
• ケージに慣らしておく
• 鳴き声や匂いへの配慮
• 排泄物の処理を迅速に行う
• 他の避難者への声かけ
• ワクチン・迷子札・備蓄の準備
• 「ペットが苦手な人」への理解
これらはすべて、飼い主の作法だ。
避難所で起きるトラブルの多くは、
ペットそのものではなく 飼い主の準備不足 から生まれる。
だからこそ、ペット防災は
「飼い主が避難所の主役になる」
という意識が欠かせない。
■ インクルーシブ防災が示す“誰も置き去りにしない避難所
インクルーシブ防災とは、
すべての人が安心できる避難所をつくること である。
ペットを飼っている人も、飼っていない人も、
アレルギーの人も、動物が苦手な人も、
外国人も、障がいのある人も、
誰も排除しない。
そのために必要なのが、
ゾーニング(空間の分離) である。
体育館の隅、渡り廊下、屋根付きスペースなど、
避難所の構造に合わせて柔軟に飼育スペースを設ける。
そして飼い主は、そのスペースを清潔に保ち、
周囲に迷惑をかけないよう率先して行動する。
これは「押しつける防災」ではない。
「お互いを思いやる防災」である。
■ 日本人の“作法文化”は防災にこそ活かせる
日本人は昔から、
・列に静かに並ぶ
・順番を守る
・相手に迷惑をかけない
・場を整える
・押しつけない
という文化を大切にしてきた。
これは世界から見ても特別な美徳であり、
災害時にこそ力を発揮する。
避難所で、
「どうぞ先に」
「ここ空いてますよ」
「困っている人いませんか」
という声が自然に生まれるのは、
日本人の作法が根づいているからだ。
この文化を、
防災の中心に据えるべき時期が来ている。
■ 子どもたちの防災教育にも“作法”を
防災教育は、知識だけでは身につかない。
しかし「作法」として教えると、子どもたちは驚くほど吸収する。
• 靴を揃える → 避難所での秩序につながる
• 列に並ぶ → 混乱を防ぐ
• 相手を思いやる → インクルーシブ防災の基礎
• 押しつけない → 多様性の尊重
• 自分のことは自分で → 自助の第一歩
これらはすべて、
“日本人が昔から大切にしてきた作法”であり、
防災の本質そのものだ。
■ 15年目の節目に、作法から始める防災へ
震災から15年。
防災は「知識の時代」から「作法の時代」へと変わろうとしている。
• ペット防災
• インクルーシブ防災
• 避難所の秩序
• 子どもの防災教育
これらすべてに共通するのは、
“相手を思いやる行動”が防災の土台になる ということだ。
防災は特別なことではない。
日常の作法の延長線上にあり、行政に押し付ける事でもない。
避難所で、
「お互いさま」
「困ったときは助け合う」
「押しつけない」
という文化が広がれば、
ペットも人も、誰もが安心して過ごせる避難所が実現する。
防災は、設備でも制度でもなく、
人の作法から始まる。
そしてその作法を未来へつなぐのは、
私たち大人であり、
次の世代を担う子どもたちである。
執筆:安井明彦




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