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東日本大震災から15年インクルーシブ防災とペット同伴避難の作法

  • 執筆者の写真: サポート協会 ペット防災
    サポート協会 ペット防災
  • 20 時間前
  • 読了時間: 4分


インクルーシブ防災と避難所の作法

──日本人の“思いやり文化”を未来の防災へ**

東日本大震災からまもなく15年。


この節目に、私たちは「防災とは誰のためのものか」を改めて考える必要がある。

高齢者、障がいのある人、外国人、子ども、そしてペットと暮らす人。

災害時に弱い立場になりやすい人々を包み込む インクルーシブ防災 の考え方は、

これからの日本に欠かせない視点だ。


しかし現実を見ると、防災啓発はまだまだ進んでいない。

避難所の混乱、情報不足、準備不足、そして「自分は大丈夫」という油断。

どれも震災から15年経っても繰り返されている課題である。

だからこそ今、私たちには 新しいアプローチ が必要だ。


その鍵となるのが、

「防災=作法」という考え方 である。


防災は“知識”ではなく“作法”へ

これまでの防災は、

・備蓄をしましょう

・家具を固定しましょう

・避難経路を確認しましょう

といった「知識の伝達」が中心だった。

しかし、知識だけでは人は動かない。

頭では分かっていても、行動に移せない。

だから防災啓発は伸び悩んでいる。


そこで必要なのが、「作法として身につける防災」 という視点だ。

作法とは、

・相手を思いやる心

・場を整える行動

・自分の振る舞いを律する姿勢

のことである。

日本人は昔から、

列に静かに並ぶ

靴を揃える

相手に迷惑をかけないようにする

という文化を大切にしてきた。

この“日本人らしい作法”こそ、

防災に最も必要な力なのだ。


同伴避難は「作法」がすべてを決める

環境省はまもなく新しい指針を出し、

同行避難や飼育スペースの確保をより強く推奨する方向に進んでいる。

しかし、制度が整っても避難所がうまく回るとは限らない。


避難所で本当に重要なのは、飼い主の作法 である。

• ケージに慣らしておく

• 鳴き声や匂いへの配慮

• 排泄物の処理を迅速に行う

• 他の避難者への声かけ

• ワクチン・迷子札・備蓄の準備

• 「ペットが苦手な人」への理解

これらはすべて、飼い主の作法だ。

避難所で起きるトラブルの多くは、

ペットそのものではなく 飼い主の準備不足 から生まれる。

だからこそ、ペット防災は

「飼い主が避難所の主役になる」

という意識が欠かせない。


インクルーシブ防災が示す“誰も置き去りにしない避難所

インクルーシブ防災とは、

すべての人が安心できる避難所をつくること である。


ペットを飼っている人も、飼っていない人も、

アレルギーの人も、動物が苦手な人も、

外国人も、障がいのある人も、

誰も排除しない。


そのために必要なのが、

ゾーニング(空間の分離) である。

体育館の隅、渡り廊下、屋根付きスペースなど、

避難所の構造に合わせて柔軟に飼育スペースを設ける。

そして飼い主は、そのスペースを清潔に保ち、

周囲に迷惑をかけないよう率先して行動する。

これは「押しつける防災」ではない。

「お互いを思いやる防災」である。


日本人の“作法文化”は防災にこそ活かせる

日本人は昔から、

・列に静かに並ぶ

・順番を守る

・相手に迷惑をかけない

・場を整える

・押しつけない

という文化を大切にしてきた。

これは世界から見ても特別な美徳であり、

災害時にこそ力を発揮する。

避難所で、

「どうぞ先に」

「ここ空いてますよ」

「困っている人いませんか」

という声が自然に生まれるのは、

日本人の作法が根づいているからだ。

この文化を、

防災の中心に据えるべき時期が来ている。


子どもたちの防災教育にも“作法”を

防災教育は、知識だけでは身につかない。

しかし「作法」として教えると、子どもたちは驚くほど吸収する。

• 靴を揃える → 避難所での秩序につながる

• 列に並ぶ → 混乱を防ぐ

• 相手を思いやる → インクルーシブ防災の基礎

• 押しつけない → 多様性の尊重

• 自分のことは自分で → 自助の第一歩

これらはすべて、

“日本人が昔から大切にしてきた作法”であり、

防災の本質そのものだ。


15年目の節目に、作法から始める防災へ

震災から15年。

防災は「知識の時代」から「作法の時代」へと変わろうとしている。

• ペット防災

• インクルーシブ防災

• 避難所の秩序

• 子どもの防災教育

これらすべてに共通するのは、

“相手を思いやる行動”が防災の土台になる ということだ。

防災は特別なことではない。

日常の作法の延長線上にあり、行政に押し付ける事でもない。

避難所で、

「お互いさま」

「困ったときは助け合う」

「押しつけない」

という文化が広がれば、

ペットも人も、誰もが安心して過ごせる避難所が実現する。

防災は、設備でも制度でもなく、

人の作法から始まる。

そしてその作法を未来へつなぐのは、

私たち大人であり、

次の世代を担う子どもたちである。


執筆:安井明彦

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